ラブレター

言葉で人を感動させることなんて本当にできるのか?

 

大好きな音楽を聴きながら、僕はよくそんなことを考えている。

 

音楽を聴くときにメロディーを重視するか、歌詞を重視するかという論争はこれまでずっと続いている。論争と言ってもどちらが正しいということはなく、好みの問題なのだが「メロディーが主要。歌詞は飾り」派と「歌詞があってこそメロディーが生きるのよ!」派に分かれる。僕はどちらも好きだしその時の気分によっても変わる。

今は歌詞に酔いしれる気分。大好きなバンドを巻き込んでみようと思う。

 

数年前、ライブハウスで出会った友だちから”ハンブレッダーズ”というバンドを勧められた。初めて聴いた曲は彼らのファンなら絶対に知っている「DAY DREAM BEAT」という曲。少し大袈裟かもしれないが耳から頭、そして体全体に電気が走った。昔の曲から最新曲までを夢中になって聴いた。SNSで彼らの情報を集めた。便利な時代だと思った。(と言っても僕が生まれた時はもうすでに結構便利な時代になっていたから不便な時代をあまり知らないんだけど、ただなんとなく言いたい。便利な時代だ。)

 

彼らを知るうちにその演奏技術や曲の完成度の高さとともに、ギターボーカル・ムツムロアキラの”言葉”に対する姿勢というものが気になり始めた。面白いのだ。読書や映画鑑賞をしているわけではない。音楽を聴いているだけなのだが、面白いのだ。言葉選び、言い回し、繋ぎ方、どこか遊び心のある歌詞に毎回「やられた」と心酔してしまう。

小さい頃、夢中になって読んだ本は僕を別の世界に連れていってくれた。その時の感覚にとても似ている。僕だけの世界が確実にそこにあって、誰にも邪魔されない自分だけの時間が流れる。大人になってもそんな世界に連れていってくれる存在は僕にとって大きかった。最近買ったワイヤレスイヤホンから聞こえる音楽で、今日も無敵になった僕は、生意気にもこんな投稿をしている。

 

言葉で人を感動させられるのか?という疑問を抱えながら、僕はまた彼の言葉に感動させられる。まんまと、だ。結局のところ、それは可能だという答えには辿り着いている。何より僕がそれを実感している。だからやってみたくなったのだ。言葉を届けてみたくなったのだ。

 

尊敬する、大好きなバンドマンへのラブレターを第一回目の投稿としよう。

いつか直接会えた時に「あ、、、ども、、、えっと、、、」とうまく言葉を紡げず

 に背中を丸めて帰ってこないように、ここで練習しておく。

僕は彼らの音楽が、言葉が、大好きだ。

 

 

 

雨が降る三連休、自宅にて。